S&W M29は、スミス&ウエッソン社が開発した 大型のリボルバーで、44口径弾を使用する。
44口径弾とは、レミントン社が開発した 44マグナム弾で、拳銃用としては当時最高のエネルギーを 備えていた。 その為、大型で頑丈なボディに仕上げてある。採用されたフレームは大型のNフレームだ。 しかし全体として見ると、44マグナム弾を撃てるというだけであり、特に 目新しい工夫があるわけではない。
M29の開発コンセプトは、熊に対抗する為、とある。 が、ニーズが偏りすぎていたのか、あまり売れなかったようだ。 起死回生の策は名俳優クリント・イーストウッドだ。 映画ダーティーハリーで主人公のハリー・キャラハンが本銃を 使用した為、一躍脚光を浴び、売上が伸びるようになった。 しかし、やがてブームは去り、1965年にS&W社は会社を身売りしてしまう。
今でこそ最強の座はS&W M500に譲り渡したものの、大口径拳銃の 発端となったのはこのM29であろう。 このブームがなければ、ライバル各社が44口径弾を使用する拳銃を開発する 事もなかったであろうし、454カスール弾や50AE弾が開発される事もなかったであろう。 大口径の弾丸は、発射時の反動が大きいだけという声もあるが、むしろその 反動を楽しむユーザーもあるのだ。 新たな市場を開拓したという意味も踏まえて本銃の功績は大きい。
項目 | 内容 |
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名称 | S&W Model 29 |
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分類 | 拳銃/回転式拳銃 |
口径 | 44口径 |
弾薬 | 44ナグナム |
装弾数 | 6発 |
全長 | 349mm |
重量 | 1450g |
発売 | 1956年 |
生産 | アメリカ(made in U.S.A.) |
メーカー | S&W |
用途 | ハンティング、反動及び発射音の体感 |
更新日:2008/09/23